<巨人>5年ぶりリーグ制覇 原監督、宙に舞う 10/03/2007
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<巨人>5年ぶりリーグ制覇 原監督、宙に舞う
リーグ優勝に王手をかけていた巨人が2日、東京ドームでヤクルトを5―4で降し、リーグ制覇を成し遂げた。優勝は原監督の「第1次政権」時代に日本一に輝いた02年以来5年ぶり。2位の中日が残り3試合に全勝しても、巨人を勝率で上回る可能性がなくなった。
原監督は選手、スタッフの手で宙に舞った。一時は中日、阪神より残り試合数が少なく、負け数が多い不利な状況で、中日にマジック点灯を許したが、9月19日の阪神戦から4連勝を含む7勝1敗のハイペースで白星を重ね、大混戦を制した。
○巨人5―4ヤクルト●
巨人が劇的な逆転勝ちで5年ぶりのリーグ優勝を決めた。1点を追う九回、2死満塁から清水の内野安打と一塁悪送球で2者が還った。ヤクルトは終始押し気味に試合を進め、必死の継投で逃げ切りを図ったが、中盤以降の好機に決定打が出ず、最後は抑え投手の力不足に泣いた。
▽巨人・原監督 今年のゲームを象徴するように、粘り強く選手が戦ってくれた。(4年間優勝がなく)私も悔しかったし、ファンも悔しかったと思う。選手は悔しさをぶつけて戦ってくれた。最高です。クライマックスシリーズのことは考えず、きょうは優勝を奪回したことに酔いたい。本当にファンのみなさんありがとうございました。
▽ヤクルト・古田監督 う〜ん、ああいう幕切れはなかなかないですね。ヒットゾーンに打球が飛んで、内野も慌てなければいけない状況だったし。仕方がない。ちょっと運がなかった。
▽巨人V9監督の川上哲治さん 巨人軍のみなさん、優勝おめでとう。私たちOBだけでなく、ファンにとっても、4年間の優勝ごぶさたは長かった。きっと喜んでくれるに違いない。移籍1年目の小笠原、谷がすぐチームに溶け込み力を発揮。生え抜きの上原はチーム事情からストッパー役に徹した。「チーム愛」でまとめた原さい配が、混戦のレースを制する原動力になった。この勢いでプレーオフ、日本シリーズも勝ち抜いてほしい。
▽豊蔵一セ・リーグ会長 5年ぶり31度目のリーグ優勝おめでとう。攻守とも高いレベルでバランスが取れていた。まさに総合力の勝利。2年連続Bクラスに終わったチームを立て直し、ペナントを奪回した原監督の采配(さいはい)に敬意を表します。
▽中日・落合監督 今年は(ペナントレース、クライマックスシリーズ、日本シリーズの)三つのハードルがある。一つ目のハードルを越すことができなかった。ただ、二つ目のハードルを越すチャンスが残っている。一つ目のハードルを越せなかった悔しさをぶつけたい。
▽広島・ブラウン監督 巨人は1番から8番まで力のある打者をそろえ、一瞬も油断のできないチームだった。打撃の良いホリンズが8番。その事実で十分だろう。彼らが我々の気力、集中力を上げ、良い影響を与えてくれた。
▽日本ハム・ヒルマン監督 あれだけの素晴らしい選手がそろっているので、ある程度結果は予想することはできましたが、厳しいペナントレースを制したことに、原監督はじめ選手の皆さんに敬意を表します。
▽長嶋茂雄元監督 原監督は大胆な選手起用で戦い、選手がそれによく応えた。高橋由のトップバッター、上原のクローザー、若手選手の起用……。勝利のための割り切り方が実に見事でした。
▽高橋由 去年負けた日から、この日を夢見てやってきた。1番打者に自分が向いているのかと思ったこともあるし、苦しいシーズンだったが、最高の形で終わった。
▽上原 いきなり(故障で)つまずき、嫌なスタートだったけど、終わりがこういう形になったから忘れてもいいかな。(ストッパーは)精神的にキツイ。いい経験になった。
▽小笠原 なかなか思うようにいかない時期もあったが、周りの選手がカバーしてくれた。この優勝は一生忘れない。
▽谷 九回は(サヨナラの)雰囲気があった。ベンチは「イケイケ」のムードでしたよ。
◇原監督の一問一答
――本拠地・東京ドームでの胴上げの感想を。
まさにきょう勝てば、栄冠が勝ち取れるという状況の中、選手がその通りにやってくれて、感激と同時に感謝している。
――劇的な幕切れだった。
今年の巨人の野球を象徴していた。最後まで粘り強く、粘り強く、と今年のペナントレースの戦い方が出た。。
――満員のファンの前での優勝決定だった。
5年ぶりということで我々も強い気持ちで戦ったが、ファンのみなさんも強い気持ちを持って応援してくれた。喜びをファンと分かち合えて、感無量です。
――3強による激しい優勝争いだった。
我々、やっている側も予測不能な戦い方になった。ただ地に足をつけた野球をしよう、と言っていて、その部分では他のチームよりやや実践できたかな、と思う。
――優勝奪回という今年のスローガン通りになった。
大変、満足している。昨年は、勝負は厳しいと考えさせられた。目標を全員で勝ち取れた。
――クライマックスシリーズをどう戦うか。
先のことだね。あしたになったら考えます。
◇「決まり手」は粘り勝ち
優勝インタビュー。お立ち台に上がった巨人の原監督は喜びをかみしめていた。「粘り強く選手が戦ってくれた。この4年間、私も非常に悔しかった」。今季は派手な一発攻勢での勝利が目立った巨人が、最後の最後で見せた「決まり手」は粘り勝ちだった。
泥臭さすら感じさせた。九回無死一塁で、代走の鈴木尚がけん制でアウト。普段なら、これですんなり試合も終わる。しかし、続く李が粘って四球で出塁するなど2死満塁の好機を作った。打席にはベテランの清水だ。ライナー性の打球が持ち味の清水が、花田の変化球を思いっ切りたたきつけ、高いバウンドの二遊間へのゴロとなる。「全力で走れば何とかなると思った」。遊撃・宮本の一塁への悪送球を誘い、二塁から阿部も還って優勝が決まった。
9月26日の中日戦の後の5日間、試合がなかった。東京ドームなどで実戦感覚を狂わせないようフリー打撃や紅白戦を行った。ヤクルトの石川先発を想定し左腕攻略の練習を重ねた。
しかし、思うにように打線が機能しない。2番手の左腕・藤井も打ちあぐねた。それでも勢いは失わなかった。優勝経験を持つ清水は逆転の予感を持ちながら、打席に立っていた。
激しいペナントレースを戦い抜き、優勝を決めたこの日も逆境から手繰り寄せた。原監督が再び就任して2年目。昨年まで2年連続Bクラスに低迷していたことを考えれば、チームが劇的な変化を遂げたことを証明した戦いぶりだった。【田中義郎】
○…優勝に沸く巨人ナインの中でも、ひときわ感慨深そうだったのがフリーエージェント移籍1年目の小笠原だった。今季を振り返り、「自分で決めて巨人に入ってきたが、いろいろなプレッシャーがあってつらかった」と、珍しく素直な心情を吐露した。
「なかなか思うようにいかない時期もあったが、周りの選手がカバーしてくれた。一人で戦っているんじゃないことを、みんなが教えてくれた」と感謝し、「この優勝は一生忘れない」としみじみ話した。
○…優勝に王手をかけた試合の先発マウンドを任された巨人・内海だったが、5回4失点と思い通りの投球には遠かった。「自分の調子うんぬんより、試合が作れなかったことが一番悔しい」と肩を落とした。
ただ、ラミレスに浴びた先制の3ランこそ失投だったが、五回の無死満塁のピンチは1点でしのぐ粘りも見せた。このピンチも拙守から。無死二塁で投前バントを好フィールディングで処理し、二塁走者を二、三塁間にはさんだのに、小笠原が走者にぶつかり、走塁妨害となったのが原因。不完全燃焼の79球は、不運もあった。
○…サヨナラ失策を犯したヤクルトの宮本は「(打球に)差し込まれて、バランスが崩れた。低く投げようと思ったのに、浮いた」と、一塁悪送球を振り返った。打席に清水を迎えたところで古田監督と守備位置を確認。打球が飛んだのは、まさに気を付けていた二遊間だった。
難しい当たりだっただけに、安打になるのはやむを得ないとしても、その後、名手がまさかの悪送球。「胴上げは見たくなかったけれど、僕のミスでこういう結果になり申し訳ない」と頭を下げた。
○…史上初の3カ月連続月間MVPを獲得したヤクルトのラミレスは「1回取るだけでも難しいのに、3度続けて取れるなんて、うれしいね」とご満悦。試合に入っても、ご機嫌そのまま。先制弾は、内海のスライダーを文句のない当たりで左中間に打ち込んだ。
古田監督の退団を、選手としてだけでなく、友人としても残念がる日々。「古田監督は、ヤクルト・ファンが待望の末、生まれた監督。2年間では物足りない。もっとチャンスを与えるべきだった」。残り試合ではベストを尽くし、花道を作るつもりだ。
○…ヤクルト先発の石川は、目の前での胴上げ阻止のため、最初から飛ばした。速球のキレ、コントロールとも上々の出来だったが、2本の本塁打に泣いた。「立ち上がりから全力で向かっていきました。(本塁打を)打たれたのは甘く入った自分の失投」と石川。結局、五回限りでマウンドを退くことになり、「もう少し粘りたかった」と唇をかんだ。
毎日新聞
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